✦本日のテーマ
本当に欲しかったのは、つながりじゃなく、“生きてる気がする感覚”だった
✦始まりの問い
なぜ私は、20代の時間を「それっぽい恋愛」で埋めようとしていたのか?
✦ ストーリー(体験)
静かな回想(その頃の私)
あの頃の私は、“ちゃんと恋をしている風”の毎日を過ごしていた。
本当に相手のことが好きだったかは曖昧で、
覚えているのは、会う前の緊張感や、
名前を呼ばれる一瞬のドキッとする感覚だけだった。
求めていたのは、つながりではなく、
駆け引きの中で得られる高揚感だった。
誰かと感情を交わしたいというより、
“反応”をもらうことで、自分の空白を埋めていたのだと思う。
本当は何かに夢中になって、自分を深めていきたかった。
でも、何をしていいのかわからなかった。
“本気になること”が少し怖くて、努力しなくても手に入る恋愛に逃げていた。
周囲も、話題は恋愛ばかりだった。
私は、会話に混ざるように、“それっぽい関係”に身を置いていた。
あの頃の恋愛は、努力しなくても刺激だけは手に入る、ちょうどいい麻酔だった。
✦ 思考の構造(メタ視点)
今振り返ると、
私は恋をしていたわけじゃなかった。
恋愛にまつわる高揚感や緊張、
一瞬だけ「生きている気がする」感覚がほしかっただけだった。
誰かと価値観を共有したかったのではなく、
ただ、自分の不安や空白を忘れたかった。
✦ 新しい意味づけ(リフレーミング)
つまり私は、
“関係”を求めていたんじゃない。
“感覚”を求めていた。
その感覚は、努力や挑戦で得るよりも、
“恋愛っぽい場”に身を置けば手に入った。
恋に逃げたのではなく、生きる努力から目をそらしたかっただけ。
手っ取り早く“恋愛っぽい場”に身を置いたほうが楽だったから。
✦ 内なる声の核
刺激は埋められたけれど、わたし自身は空のままだった。
✦ 過去の私へのことば
その恋愛は、悪くなかった。
でも、“本当の熱”は、待ってるだけじゃ湧いてこない。
恋愛は、逃げ道じゃなくて、生きることの彩りになるはずだった。
私は、空白が怖かっただけ。
でも、その空白を受けとめられたとき、
やっと自分の「熱」を見つけられる。
✦ 思考の往復書簡
過去の時間 | 動き出した時間 |
何もない自分でも、恋をしていればごまかせる。 | ごまかせたけど、満たされなかった。 恋愛は“空白”を埋めるためのものじゃなかった。 |
本気で恋愛したいのに、本気に慣れない。 だからまた次の人を求める・・・。 | 刺激には賞味期限があった長くは続かない。 |
恋愛なら簡単に刺激がもらえる。 | 刺激ではなく、積み重ねて感じる実感を |
✦ 問いのかけら(残り続ける思索の痕跡)
ほんとうに私は、「熱中できるもの」を、今この手で育てているだろうか。
それともまだ、退屈な空白が怖くて、
“手っ取り早い方法”で逃げているのだろうか。
5年後の私は、いまの私を、どんな気持ちで見つめるのだろう。