#T_04|性格診断よりも、まず地図をください。

✦ 本日のテーマ

すれ違っているのは、私じゃなくて会話の前提。

 

✦ はじまりの問い

「相談して決めよう」と言ったのに、どうしてはぐらかすの?

 

✦ ストーリー(体験)

「そんなに気にしなくていいよ」
「肩の力を抜いて、ゆっくり行こう」
「大丈夫、大丈夫」。
──今日、職場でかけられた言葉たち。

……でも、プロジェクトのサブリーダーに任命したのはそちらですよね?
何をするのか、どこまでやるのかも知らされないまま、
別の人からは「仕事は自分で取りに行かなきゃ」と背中を押される。
私の問いは、見事にすれ違ったまま。

情報を取りに行こうにも「地図」がない。
遭難しかけの私に「ゆっくりでいい」と言われても、
何を・どこで・誰と? 脳内は常時砂嵐だ。

困って状況を尋ねると、なぜか始まる性格診断。
「真面目すぎるんじゃない?」
「完璧じゃなくていいよ」
「責任感が強すぎるんだって」

……ちょっと待って。私はただ、まともに仕事を進めたいだけ。
知りたいのは「感じ方」じゃなく「体制」だ。

✦ 思考の構造(メタ視点)

  • 状況の混乱を個人の性格にすり替えると、問題の本質が見えなくなる。
  • 自分から仕事を取りに行く。という美辞麗句が、実は責任放棄の言い換えになっていないか。
  •  感じ方の問題にされた瞬間、構造の欠陥は放置される。

 

✦ 新しい意味づけ(リフレーミング)

この違和感の根は、私の性格ではなく、対話が成立しない組織構造にある。
「相談して決めよう」と言いながら、核心の質問に答えないのは、責任の輪郭を曖昧にしたまま雰囲気でごまかしている状態かもしれない。

✦ 核となる声

私はただ、本質に向き合い、誠実に働きたいだけ。
だから――答えると約束したなら、きちんと答えてほしい。
論点を逸らさず、処理してほしい。

 

✦ 問いのかけら

  • なぜ“構造の問題”が“人の性格”へとすり替えられるのか?
  • 「任命」は、どこまでの責任範囲を含むのか?
  • 「自走せよ」と「放置」の境界線は、どこに引かれるべきか?

 

✦ 思考の往復書簡

この状況が教えてくれたこと

  • 正しさだけでは、組織は動かない。
    漠然とした意志があっても、責任と方向が交わらなければ、物事は前に進まない。
  • 意志が交わらない場では、関わり方を変えるしかない。
    誰もが思いを持っていても、それが噛み合わなければ、努力はすれ違うだけになる。
  • 本質を追うには、仕組みと信頼が必要だ。
    本気で向き合おうとする姿勢ほど、環境の在り方に左右される。
  • そして、関われなかったことからも学べる。
    ここでは、本質よりも「空気」と「関係性」が優先される。
    その空気が澱めば、誰も動き出そうとはしない。

 そもそも、本質を追求できるかどうかは、
組織に「目的」と「対話」があるかにかかっているように感じる。
 目的が曖昧で、対話が避けられる環境では、人は価値ではなく空気を読む。

学びは、前進のなかだけにあるのではない。
停滞からも、後退からも、生まれる。
そしてその時こそ、「義を見てせざるは、勇なきなり」かどうか、
自分に問い返す瞬間でもある。