No.01|余白の額縁(よはくのがくぶち)

答えが出なかった時間を、そっと飾る『 余白の額縁 』

この道具は、下記の記録帖に呼応するかたちで現れたものである。

★関連する記録帖
手紙帖 No.001|いま、なぜ思考堂をはじめるのか?

引き出しの奥にしまわれたままの、まとまらなかった思考。
途中で終わった問い、書きかけのままのノートの一頁。
この額縁は、そんな“かたちにならなかった時間”を、そっと飾るためだけに生まれた。

言葉にならなかった想いの隙間から、霧のように静かに姿をあらわし、
記録の傍らにそっと置かれていた。
いつしか人々は、それを“余白の額縁”と呼ぶようになった。
答えの出なかった問いや、形にならなかった思考を、そのまま飾るための額縁として。

 

▪️発見記録

どうにか形にしようと、ノートに言葉を並べては消した夜。
机の隅に、何も入っていない額縁が立てかけられていた。
けれど、そこには確かに、“考えていたわたし”が映っていた気がした。
思考とは、姿勢だったのだと、やっと気づいた瞬間だった。

 

▪️ 効能

まとまらなかった問いや思考を、存在ごと肯定する
・答えを出せなかった時間に意味を与える
・自分の“考え続けていた姿勢”を見失わずにいられる

 

▪️ 使用法

・書きかけのノートや言葉にできなかったメモを、このフレームの近くに置いておく
・あるいはフレームの中に、白紙や半端なメモを飾ってもよい
・ときどき見つめて、「あの時間も、大切な思考だった」と思い出す

 

この額縁は、飾るものがなくても、
そこに“考えていた時間”があったことを、忘れないために生まれてきた。

 

※この図鑑は、現実の記録や手紙帖に寄り添うかたちで生まれた、完全なるフィクションです。
しかし、フィクションだからこそ、あなたの心のどこかに“そっと効く”ことを願って作られています。

🌙 そしてもし、ここにあるどれかの道具が、
あなたの見えない感情にそっと灯りをともせたのなら
——それは、この図鑑が存在する理由そのものです。