No.02|不確かな方角を示す笛石(むてきせき)

霧笛石(むてきせき)|不確かな方角を示す標石

この道具は、下記の記録帖に呼応するかたちで現れたものである。

★関連する記録帖
手紙帖 No.04|性格診断よりも、まず地図をください。

地図も羅針盤も与えられない霧の中で、自分自身の「なぜ?」という内なる声 に耳を澄ませ、不確かながらも進むべき方向を示唆する鉱石。

「真面目すぎ」と片づけられ、問いははぐらかされ、道筋もないまま「自走せよ」と言われる。
《霧笛石》は、そんな曖昧な環境で生まれる迷いや違和感を映す石です。

手にすると、霧のような揺らぎと、かすかな振動を感じるかもしれません。それは、放置された問いと構造への静かな抗議なのかもしれません。
本質に向き合いたいという静かな意志を、見失わないための“しるべ”。
濁った空気の中でも、自分の軸を確かめたい人へ──。

 

▪️発見記録

  任命されたものの、役割も目的も曖昧なまま。
「まず相談から」と言われても、話は進まず、問いかけても答えは返ってこない。「何を、どこで、誰と?」と考え続けるうちに、思考は砂嵐のようにかき乱されていった。
そんなある夜、机の隅に見慣れない石が置かれていることに気づいた。
それは、私が抱えていた「なぜ?」という問いが形を持ったかのようだった。
その石を見つめていると、「真面目すぎる」と言われた自分の姿勢や、本質を問おうとした行為が、間違いではなかったと感じられた。
曖昧な組織の中で迷いながらも、誠実に向き合おうとする自分を、そっと肯定してくれる存在だった。

 

▪️ 効能

・モヤモヤや混乱を、「それでいい」と受けとめてくれる。
・話が通じないときも、自分の「問い」を信じられるように。
・「あなたのせいじゃない」と、そっと教えてくれる。
・立ち止まる時間にも、ちゃんと意味があると気づかせてくれる。

 

▪️ 使用法

・質問をはぐらかされたときは、石を握って「この曖昧さは私のせいじゃない」と心でつぶやく。
・頭がごちゃごちゃするときは、石の中の霧を見つめて、「今の状況そのもの」と受けとめる。
・「真面目すぎる」と言われたときは、石に触れて、自分の違和感はちゃんと意味があると思い出す。

この霧笛石は、答えの見えない中で、
「なぜだろう」と考えていた時間が、たしかにそこにあったことを、
忘れないために生まれてきた。

※この図鑑は、現実の記録や手紙帖に寄り添うかたちで生まれた、完全なるフィクションです。
しかし、フィクションだからこそ、あなたの心のどこかに“そっと効く”ことを願って作られています。

🌙 そしてもし、ここにあるどれかの道具が、
あなたの見えない感情にそっと灯りをともせたのなら
——それは、この図鑑が存在する理由そのものです。